紫微斗数は、10世紀前後の唐から宋へ代わる時代に確立された推命術です。 生まれた時刻と場所、性別などから、その人が生まれ持つ運命・性質などを推定します。
紫微斗数では、十二の宮に入る星々の配置で運勢や人格を鑑定します。 それぞれの宮から鑑定できる内容は以下の通りです。
上記の十二宮のうち、命宮・夫妻宮・財帛宮・遷移宮・官禄宮・福徳宮のいずれかが、身宮として割り当てられます。 身宮からは、人生の後半生を左右する後天的な運勢を読み解きます。 身宮が命宮となる人は、一生を通じてあまり性格が変化せず、 夫妻宮なら配偶者、 財帛宮なら財力、 遷移宮なら人付き合い、 官禄宮なら仕事、 福徳宮なら精神面での充実が、それぞれ後半生でより重要度を増してきます。
紫微斗数で利用する星には、意味・吉凶・強弱が割り当てられています。 これらの星がどの宮に入るかにより、また、それらの組み合わせにより、その人の運勢や性質を占います。
鑑定に利用する星は数十種類ありますが、 特に重視されるのは甲級主星と呼ばれる以下の十四種類の星です。
凶星と聞くと何か運勢が悪いような印象を受けますが、必ずしもそうではありません。 「個性的な性質を持っている」「アクが強い」といった意味合いでとらえるほうが実際に近いでしょう。 世の中にはアクの強さが魅力的な人がたくさんいますし、個性的な性格で大成功を収めている人がたくさんいます。
上記の十四種類の甲級主星以外にも甲級副星と呼ばれる星々が運勢に影響を与えます。 大まかな運勢や人格はどの甲級主星がどの宮に入るかでおおよそ決まりますが、 以下の甲級副星との組み合わせにより、運勢の善し悪しや意味合いが変化します。
さらに、乙級助星と呼ばれる星々も鑑定に利用します。 甲級主星や甲級副星ほどの影響力はありませんが、その人の性格や運勢に多少の影響を与えます。
紫微斗数では上記以外の星を利用する場合がありますが、 当サイトでは上記の甲級主星14+甲級副星15+乙級助星10=39の星を利用しています。
より多くの星を用いれば、それだけ詳細に占うことはできるのですが、 細かな星を用いたとしてもディテールが多少変化するに過ぎません。 基本的な運勢・性格は同じであり、占いの結果が大きく変化するわけではありません。
鑑定結果の命盤に配置された星の名前の後ろには、(◎)(○)(△)(×)という記号が付けられています。 この記号は星の輝きの強弱を表しています。
(◎)や(○)が付く場合には星の輝きが強く、その星の良い面が出やすくなります。 (△)や(×)が付く場合には星の輝きが弱く、その星の悪い面が出やすくなります。
星の配置によっては、鑑定する宮に甲級主星 (紫微星・天機星・太陽星・武曲星・天同星・廉貞星・天府星・太陰星・貪狼星・巨門星・天相星・天梁星・七殺星・破軍星のいずれか) が入らない場合があります。 例えば、命宮から先天的・基本的な人格・性質を鑑定したくても、そこに甲級主星が入っていないといった場合です。
鑑定する宮に甲級主星が入らない場合には対宮、つまり、反対側の宮に入る星で鑑定します。 例えば、命宮の鑑定をする場合には、その対宮となる遷移宮に入る星で鑑定することになります。 この場合には、鑑定する宮そのものに星が入っているケースよりも、 それぞれの星の持つ個性の傾向が控え目になるとお考えください。 50~70%程度の影響力になるとされているようです。
個性の傾向が控え目になると言えば、 何か個性が弱いような印象を受けるかもしれませんが、必ずしもそういうことではありません。 鑑定する宮に甲級主星が入らない場合にも、その宮に入る副星や助星、対宮(命宮の場合には遷移宮)に入る星が重要な判断材料となります。 また、鑑定する宮の両隣となる隣宮(命宮の場合には兄弟宮と父母宮)、 鑑定する宮から4つ離れた三合宮(命宮の場合には財帛宮と官禄宮)に入る星も同時に考慮します。
命宮に甲級主星が入らないということは、 人格を推定する星の配置として突出した要素が無く、 対宮や三合宮に入る星などの様々な要素がほどほどに影響し合うことになります。 そのため、どの要素がより強力に人格形成に影響を与えるのかを判断しづらいのです。 これは、その人の個性を典型パターンに振り分けることが難しいというほどの意味合いであり、 決して個性が弱いということではありません。
命宮に甲級主星が入らない人は比較的高い確率で存在しており、 その中には有名人や成功されている方もたくさんおられます。 正しくは命宮に甲級主星が入らない人の中にも個性の強い人もあるし、 個性の弱い人もあるということになるでしょう。